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30回目のお見合い場所は、こじんまりとしたホテルの1階の喫茶店だ。
いつも、思う…この2人きっとお見合いしてるんだなって思われてるはず。
そう感じると何度お見合いを繰り返しても、周囲の視線が気になるものだ。
真理はいつもの質問をただ繰り返す。
「慎吾さんの、ご趣味は?」
慎吾「そうですね。特に…ないです。」
真理「そうですか…。」
この男、答える気も私に質問する気も無いらしい。
何度目かの退屈な応答を繰り返した後、真理は言った。
真理「申し訳ありません。私この後予定がありますので、そろそろ失礼いたします。本日はお忙しい中ありがとうございました。」
真理が急いで席を立とうと机に手をつくと、その勢いでお相手のコーヒーがこぼれた。
慎吾「うわっ!」
男のビックリした声に驚き、真理は顔面を強張らせた。
真理「ごめんなさい!!!お怪我ないですか?」
慎吾「大丈夫。コーヒーは冷めていましたから。それより、真理さんは大丈夫ですか?」
…真理は絶句した。
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