冷めたコーヒー

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「あれ?雨が降ってきた。」 まだかまだかと心を踊らせ、窓の外を眺めていた真理が呟いた。 カフェで待ち合わせの彼を待っている。 彼の名前は…田中慎吾さん。 年齢は39歳…頼りになる年上。 身長164cm…私からキスがしやすい高さ。 仕事は、皆の生活を支えるスーパーの店長。 中肉中背…ちょっとお腹がでていて可愛いくまちゃんみたい。 髪型は野球少年のような短い刈りあげで、撫でた時の触感が気持ちいい。ちょっと薄くなった頭頂部も母性本能をくすぐられる。 垂れた眠たそうな一重は、優しく私を包みこむように見つめてくれる。 …コーヒーが冷める前に気づいて良かった。 そう思いながら温かいコーヒーを持つ私の薬指には、指輪がはめられているのだった。
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