冷めたコーヒー

1/3
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
ピロピロ~♪ 軽快な着信音。 その音とは真逆に私の心は重くなる。 「あー。これで30回目のお見合いだー!」 スマホの画面を見ながらため息をついた私は、ベッドに倒れこんだ。 早速お相手のプロフィールを再度確認した。 名前は…田中慎吾さん。 年齢は39歳…おっさんじゃないか。 身長164cm…低い。 仕事は、スーパーの店長。 写真を見た感じは、一言でいうと…冴えない。 中肉中背…ちょっとお腹がでている? 髪型は野球少年のような短い刈りあげで、清潔感はあるが、頭頂部あたりが薄いのは気になる。 垂れた眠たそうな一重は、どこか重そうだ。 窓から入るポカポカ陽気が気持ちいい。 「ふわぁ~」真理はそのままウトウトと…眠り込んでしまった。 真理は34才。 職業、保育士。 仕事には、一生懸命取り組んできたつもりだ。子どもは可愛いけど、保護者対応は大変…。それに連日、行事やイベントの準備など毎日がバタバタと終わる。 夕方子ども達が親御さんとお家に帰っていく様子を見送っていると安心して、どっと疲労が…。 そんな毎日を過ごしていたら、この年齢だ。 34歳になった誕生日に結婚相談所に入会し、3ヶ月。 1ヶ月で10人、3ヶ月でちょうど30人。 我ながら、婚活。 真面目に頑張っていると思う。 しかし、正直ゴールが見えない婚活に息切れ気味だ。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!