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スクールバッグをからった一人の少年が、
レンガ張りの道をゆっくり歩いていた。
その少年の見た目は平々凡々。
どこにでもいる男子高校生だった。
学校へ行く足取りは普通で、何気ない顔で歩いている。
ふと横を見ると、大あくびをしてヒールをコツコツ鳴らすベテランのOLが信号待ちをしていた。
信号が青になると、一斉に歩き出す。
そんな当たり前の毎日。
普通に学校に行き、普通に昼食を食べ、普通に下校し、普通に勉強する。
不登校の人や、人生を悔いる人はいるようだけど、気持ちが一切分からない。
そんな平和な毎日。
彼の名前は田中 勇気。
名前も平凡だ。
特徴が無さすぎて、掴みどころがない少年。
そんな彼のこの日は違った。
彼は予想もしなかった世界に招待されてしまうからだ。
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