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「まぁ、このままだったら埒が明かないからさ、見えるかな?この手を触ってみてよ。」
そう言って少年(?)は手のようなものを差し出してきた。
相変わらず半透明で分かりずらい。
恐る恐る勇気は手で触ってみる。
その途端、視界がぼやけ次の瞬間には真っ白になっていた。
動揺して声すら出ない勇気を見ているのか少年(?)は、笑いながら話し出した。
「ふふふ、君には魔法の素質みたいなものがあるみたいなんだ。だから今からボクと一緒に、魔法学校エルブレンドに行ってもらうよー!」
元気ハツラツに言う少年(?)とは別に、勇気は死にかけている。
なぜなら、地面が消え真っ白になった視界を目を細めて見てみると、それは雲で、自分が今空から落下していることに気づいたからである。
それを理解した瞬間勇気は溜まりに溜まった声を吐き出した。
「…ぎぃぃぃぃやぁぁぁぁぁあああああああ!死ぬぅぅぅあぅぅぅぅぅうぅうあああああ!」
それを見ている少年(?)は、ずっと笑い続け、2人は落下し続けていた。
そして、下にある大きな建物のようなものが目に入った。
それを確認し、少年(?)はその建物を指さしながら、
「あれが君が通うかもしれない魔法学校だよ!綺麗なところでしょう?ボクが魔法士育成しているんだよ!どう?楽しそうでしょう?」
考える余裕がない勇気はただただ悲鳴をあげていた。
それを見た少年(?)は溜息をつき、勇気に
「ねぇ、こっちみてみて、」
そう言われ勇気は恐る恐る横を見ると、さっきまで半透明だった少年の姿がはっきりしていた。
金色の髪に黒い髪がひとつワンポイントにある、子供にしてはキリリとした淡い緑の瞳。
バラの絵が描かれた紫色のローブを着た少年が勇気を見ていた。
目があうと少年は、
「良かった!やっぱり君は天才だ!君はこの学校で学ぶべきだよ!」
そう言った少年は大きな建物の方に向き直り大きな声で叫ぶように言った。
「魔法をこの世から抹消する方法を!!」
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