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このまま気絶出来ればどれだけ良かっただろうか。
そんな都合のいい話はない。
また再び目覚めればいつもの通学路…なんてことは有り得ることもなく。
ただ、大きな雲が浮かぶ大空を見上げることしか出来なかった。
隣で、軽く準備運動のようなものをしているエレシアに勇気が訪ねる。
「ねぇ、俺どうなるの?食われるの?魔物は嫌だよ?だって俺魔法使えねぇじゃん。素質かなんだかわかんないけど。使えねぇじゃん?あれ、俺、詰んだ?」
1人悶々と考えている勇気を無視し、深呼吸をしたエレシアは、勇気に近づき身をかがめ、話し始めた。
「君にはあそこの魔法学校エルブレンドに通って、魔法を消す魔法を学んでもらうよ。いぃーかな?」
「ひとっつも良くない!だから、魔法は、」
「使えるよ?言ったじゃないか。君には魔法を見る力も使う力もある。それに…」
エレシアは何か言いかけたが、おもむろに咳払いをした。
「と・に・か・く!君にはまず、クラスを紹介しよう!僕の飛びっきりのクラスをね!」
「いや、ちょっ、ちょっと待っt…」
「待てないもんね〜!!」
そう言うとエレシアは勇気の肩に軽く触り、呪文を唱えた。
「空間移動!!」
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