過去編④&再び現代

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過去編④&再び現代

 美織は自身の腕をつかんでいる遊斗の手を、やんわりとほどく。  すると遊斗はその手を引き寄せ、美織を抱きしめた。 「ゆ、遊斗君?!」 「……うちの学校に来い、美織。お前の行ってた学校と違ってバカばっかだけど、くだんねー理由で学校から追放するようなバカはいないからさ」  その代わり、と遊斗は美織にニヤッと笑いかけた。 「二度と"別れる"なんて言わせねぇからな? 絶対俺から離れるなよ」 「……うん!」  美織は涙をこらえきれぬまま、頷いた。    後日、美織は遊斗の学校へ編入した。所属クラスは美織たっての希望で、遊斗のクラスに入れてもらえることになった。  最愛の人が戻ってきたことで安心したのか、遊斗は再びゲームに熱中するようになった。  昼休み。遊斗は美織と二人で昼食を取った後、美織の膝を枕にベンチに寝そべり、ゲームをしていた。  その間、美織は幸せそうにニコニコと笑いながら、ゲームに熱中する遊斗を眺めていた。 「いい天気だね、遊斗君」  美織は澄み切った青空を見て、言う。  遊斗はチラッと美織の顔を一瞥し、「そうだな」とゲームの画面に視線を戻した。 「いい天気だ」 (了)
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