第一章 アリス・ノート

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 アリスが私にとって特別な友人となった経緯や、彼女が言葉もあまり通じないこの土地で私たちプロのミュージシャンと同じ音楽のステージに立つまでの軌跡について、知る限りの詳細をお伝えしたいと思います。  ご存じのように、彼女とは、一時期、ブリュッセルのアパルトマンをシェアしていました。部屋自体は私の所有で、何年も前から私が一人で住んでいました。  短い期間でしたが、彼女がルームメイトだったあの7カ月は、始まりも終わりも突然でした。その間、彼女の口から直接多くの話を聞くことができましたので、私が理解した範囲で彼女のブリュッセルでの生活がどういうものだったのかをお伝えできると思います。
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