鏡の中のシンデレラ

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鏡の中のシンデレラ 「同窓会かぁ…」 綾は届いたLINEを見ながらつぶやいた。 それは小中学校の同級生からのグループLINEへの招待メールだった。グループ名は “小同窓会” 行きづらいなぁ。 38歳にもなって独身彼氏なし。工場勤務でバリキャリとには程遠い。 ただ出会いの場でもあるわけで。 学生のときの田舎丸出しの状態から見たら今はそこそこ垢ぬけてはいると思うし、ぼっちゃりから普通体型になっているし、多少まともにはなっている、と思う。 それにこれを機に友達の輪が広がっても欲しい気もする。 人との距離感がわからなくて、ただでさえ友達が少ないのに、30歳を過ぎてからは大体が結婚し、躊躇して連絡をとることもなくなっていた。 なんのしがらみもなく仲良くしていた小学校の同級生なら新しい縁ができるかも。 “お久しぶりです。同窓会参加します。みんなに会えるの楽しみ” 綾はグループLINEに書き込んだ。 あっという間に当日。
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