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無駄な足掻きと分かっていても、ちょっとでもよく見られたい。一番スタイルがよく見える服をチョイスした。メイクも頑張ってみたが、普段薄化粧済ましているからどうしてもYouTubeのようにうまくいかない。結局ファンデーションとリップだけになってしまった。
当初の出発予定までまだ時間があったが、居ても立っても居られなくて早めにうちを出た。
(早く着いちゃった…どうしよう…)
会場の居酒屋に着いたが、一人で中に入るのは怖くて入り口付近でうろうろするしかなかった。
「あれ~?もしかして綾ちゃん?」
後ろからの声で振り向くと、二人の女性。10年以上ぶりだったが、同級生の美優紀とさくらだと一瞬でわかった。二人とも面影は残したまますごく綺麗になっていた。
「美優紀ちゃんとさくらちゃんだよね?久しぶり~」
綾は手を振りながら二人のもとに駆け寄った。
「綾ちゃんすごい!モデルさんみたい」
自分から褒めようと思ったのに先に褒められ、やっぱり自分はこういうところがだめだな・・と反省する。
「 そんなことないよ~。身長あるからね。それより二人ともすごく綺麗で…」
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