鏡の中のシンデレラ

4/70
前へ
/70ページ
次へ
身長はコンプレックスだった。165センチ。女性にしては大きいし、モデルにしては低い。どうせ伸びるなら170センチくらいまでいけばよかったのに。 周囲には170センチ以下の男性が多く、ヒールの靴を履いたりするとイヤな顔をされる。なぜか背が高いと力があると思われて、重たい荷物を持たされることもたびたびあった。そんなこともあり背の低い女性が羨ましかった。 (でも褒めてくれて嬉しい。) 二人とはそこまで仲が良かったわけではないが、久しぶりでテンションがあがっていた。いつもならもっと深読みし勝手にへこんでいただろうが、綾は気にせず会話を楽しんだ。 「おーい。そんなところで立ち話してないで中入れよ。」 店のドアを開けて叫ぶ男性。今回の幹事。達也だ。 「ごめ~ん。今行く!綾ちゃん行こ!」 さくらに言われるまま中に入った。 「全員きてないけど時間になったからはじめよう」 部屋に入った途端開始しそうになり、」綾は慌てて空いている席に座った。 「じゃあ、乾杯!」 「かんぱーい!」 同窓会が始まった。 集まったのは30人。半数以下だ。 「思ったより集まらなかったね。」
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加