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身長はコンプレックスだった。165センチ。女性にしては大きいし、モデルにしては低い。どうせ伸びるなら170センチくらいまでいけばよかったのに。
周囲には170センチ以下の男性が多く、ヒールの靴を履いたりするとイヤな顔をされる。なぜか背が高いと力があると思われて、重たい荷物を持たされることもたびたびあった。そんなこともあり背の低い女性が羨ましかった。
(でも褒めてくれて嬉しい。)
二人とはそこまで仲が良かったわけではないが、久しぶりでテンションがあがっていた。いつもならもっと深読みし勝手にへこんでいただろうが、綾は気にせず会話を楽しんだ。
「おーい。そんなところで立ち話してないで中入れよ。」
店のドアを開けて叫ぶ男性。今回の幹事。達也だ。
「ごめ~ん。今行く!綾ちゃん行こ!」
さくらに言われるまま中に入った。
「全員きてないけど時間になったからはじめよう」
部屋に入った途端開始しそうになり、」綾は慌てて空いている席に座った。
「じゃあ、乾杯!」
「かんぱーい!」
同窓会が始まった。
集まったのは30人。半数以下だ。
「思ったより集まらなかったね。」
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