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結
彼女と昨日ぶりに顔を合わせた。
何か見つけたような彼女の表情に。
僕は少し圧倒される。
そんな彼女に惹かれたのを思い出す。
ああなんだか懐かしい。
彼女のそんな強気な所がとても好きだ。
僕は夢中になって話した。
昨日あった出来事。
僕の感情を。
言葉を探そうと思えば思うほど出てこない。
そんな感情を。
伝えたかった。
学校は楽しいよ。と
僕なりに伝えたかった。
でも彼女は違う世界にいた。
僕は気づかなかった。
気づかないふりをした。
彼女の綺麗な黒髪のてっぺんに青色のヘアゴムが着けられてある。
あ、ポニーテールだ。
今まで気づかなかった。
可愛いな。
「それかわいいね。」
つい口に出してしまった。
彼女はこっちに戻ってきて驚いた顔をしていた。
僕も自分で驚いた。
僕の耳がカッと熱くなったように、熱を含み出す。
「ヘアゴムが!!」
急いで付け足す。
声を少し張り上げたせいで、
周りにいた人たちの視線が少し痛かった。
彼女が口角を上げた。
そして目を友達といる時みたいに笑わせた。
胸が張り裂けそうになるくらいに。
心が締め付けられて。
今すぐに抱きしめたくなる。
好きが溢れて。
爆発しそうになる。
ああ、好きだ。
好きだ。
好きだ。
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