救いの手

1/1
前へ
/80ページ
次へ

救いの手

私はよく夢を見ていた子だった。 小さい頃の忘れそうになる夢。 夢の中の私は、いつも、色んな夢でヒロインで。 誰にも負けないヒーローがいた。 月に1回は必ず彼が出てきて。 私を助けてくれる。 そんな夢。 私にとったら、その夢はすごく大切なものだった。 他の人にとったらふーんって言うくらい、 つまらないことかもしれないけれど。 私はとてもその夢が大好きだった。 そんなことを、 彼を見てふと思い出してしまった。 あの時の夢のヒーローは、 もう居ないけれど。 彼がヒーローなんだ。と。 彼の背中を見てそう感じた。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加