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聲
クラスに入ると、
案の定僕と彼女は
盛大なる歓声を浴びた。
何よりも驚いていたのは、
彼女の友達だ。
なんで手繋いでるんだよとか、
なんで一緒に来てんのだとか、
そういう色恋沙汰の質問ばかりが飛び交う中で、
彼女が声を上げた。
高く声をあげた。
僕の手を離していく。
離れていく。
友達のあの子に向かって。
彼女は叫んだ。
「ごめんなさい」
もう既に枯らしている声をもっと枯らしながら、
そう叫んだ。
一体が静まり返る。
賑わっていた華やかな舞台は幕を閉じた。
次の瞬間、彼女の友達は笑った。
「もういいよ!」
きっと誰も分からないだろう。
彼女がどんだけ苦しい思いをしてきたか。
そして彼女の友達もまたどれだけ悩んできたのかも。
僕だけが知っている。
みんなが訳が分からないと言った顔をしている中、
僕だけが彼女の事情を知っている。
何だかそんなつまらないものに得意げになっている自分に
少し嫌気がさした。
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