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距離÷時間
息を吐く。
綺麗な白い煙が空を舞う。
もう冬。
彼と私は、よく登下校をするようになっていた。
クラスでは馴染むように色んなこと話すようになった。
あのことも仲直りが出来て。
沢山の子たちから、彼と何があったの。だとか。
ずっと何してたのとか。
そういう風な事を沢山聞かれるけど。
あの子が言ってくれる。
私の肩を引き寄せて、
私とこの子の秘密だって。
えー、なんて残念そうな声が聞こえるのを横目に
2人で笑うのが好き。
あの子とあの子の友達とも沢山仲良くなれて。
今ではホントの親友。
彼が好きだってことも打ち明けて。
あの子は少し驚いていたけれど。
直ぐに、笑ってくれて。
私はもう諦めちゃった。
頑張ってね。
そう言って少し悲壮感のような悲しさが
切なかった。
その時思ってしまった。
私は彼に伝えなくちゃいけないんだと。
もう時期春が来る。
彼と出会う春が来る。
春が来る前に伝えなきゃ。
春一番に乗って。
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