距離÷時間

1/1
前へ
/80ページ
次へ

距離÷時間

息を吐く。 綺麗な白い煙が空を舞う。 もう冬。 彼と私は、よく登下校をするようになっていた。 クラスでは馴染むように色んなこと話すようになった。 あのことも仲直りが出来て。 沢山の子たちから、彼と何があったの。だとか。 ずっと何してたのとか。 そういう風な事を沢山聞かれるけど。 あの子が言ってくれる。 私の肩を引き寄せて、 私とこの子の秘密だって。 えー、なんて残念そうな声が聞こえるのを横目に 2人で笑うのが好き。 あの子とあの子の友達とも沢山仲良くなれて。 今ではホントの親友。 彼が好きだってことも打ち明けて。 あの子は少し驚いていたけれど。 直ぐに、笑ってくれて。 私はもう諦めちゃった。 頑張ってね。 そう言って少し悲壮感のような悲しさが 切なかった。 その時思ってしまった。 私は彼に伝えなくちゃいけないんだと。 もう時期春が来る。 彼と出会う春が来る。 春が来る前に伝えなきゃ。 春一番に乗って。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加