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もうすぐ
公園に着く。
昨日降っていた雪が少し積もりかかったままでいた。
彼女は居ない。
雪が降ったせいか、今までに無い静けさがどこか寂しさを醸し出している。
歩くと少し軋むように音が鳴る。
誰もいない公園は本当に僕だけに用意された居場所のようだった。
彼女といたベンチに腰をかけようとすると。
やっぱり少し雪がかかっていて、
分厚い手袋外して、払い除ける。
やっと腰をかけたベンチで公演をもう一度見渡す。
なんだか別の世界に居るみたいだ。
そんな風に妄想にふけてしまう程、ここは全く別の場所に見えたんだ。
風が僕に強く当たる。
僕も負けじと根強く力む。
あの本を抱えながら。
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