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勇気
少し躊躇うくらいの想いと、
伝えたくて辛い想いを、ひたすらに追いかけている。
公園に着いたら彼になんて言おうなんて、
いるかも分からない彼のことを考えては消している。
そんな上書き保存の繰り返し。
鼻にかかる冷たい空気と、前に進む度に少し音がする白い雪にまみれて私の想いは強がっていく。
そんな風にずっと歩いているともう公園の目の前まで来ていた。
彼がいることが遠くからでもわかった。
白い雪にまみれて何だか物語が始まってそうな、
そんな綺麗な情景だった。
白い息をゆっくりと吐きながら彼に近づいていく。
手元にはよく見るとあの本があって、それを大事そうに抱えている彼がとても愛おしくて溜まらない。
堪らないのだ。
でも、私の足はすくんでいる。
何度も何度も言い聞かせる、私は、彼のところに今すぐに何よりも誰よりも、
私は彼の傍に行きたい。
行きたいんだ。
どうか、神様。
勇気をください。
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