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「私も一ノ瀬くんの事が好き。ずっと前から好きだった」
お互いに顔を赤らめて、俺はどこを見ていいのか戸惑っていた。
「照れんなって一ノ瀬」
「そっちこそ。またいつか、会えるかな」
「うん。きっと会える。てか、絶対治すし」
間が空いて、フードカーの窓から手が伸びて、泉に時間を知らせた。お別れだ。
泉は電話を胸で押さえて、車に乗る両親へ「後少しだけ」と言っていた。
電話を耳に当て直した泉に、俺は言った。
「もう、出るみたいだな」
「うん」と一言口にして、泉は俯く。
俯いたまま、
「ねぇ。………ずっと好きでいてもいいかな?」
と、俺に問い掛けた。
「ああ。俺もそうしてもいいよな」と、返事を返すと、泉はゆっくり頷いて笑って手を振った。
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