リモート

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豊田歩美は、突然その画面から消えた。 いや、画面の下に倒れこんだのが、正しい。 「豊田さん」とリモートをしている会社の上司の、木下レイ子が、呼び掛ける。 反応がなくて、不安に思い「豊田さん」と又しても、呼び掛けたが反応がなかった。 もう一人、リモートをしていた会社の後輩の田中も 「どうしたんですか、豊さん」と少し近い呼び方で言う。 トールスという会社で、木下レイ子と田中洋、豊田歩美、そして、社長の野島で会社をやっていた。 トールスは、輸入品を扱う会社で、世界の商品の仲介をやっていて、その手数料が会社の売上だった。 今年は、世界で色んな事が起きてしまい、会社に行かなくても仕事が出きる時代になった。 今日も社長の野田を抜かしての、オンライン会議をしていた。 これから、新しいのをやるために考えていた。 そんな中に、豊田歩美が、倒れて画面から消えた。 木下レイ子は、すぐに救急車を豊田の家に手配した。 その間に、ずっと話し掛けているが、応答がなかった。 後輩の田中は 「豊さん、死んだんですか」と口に出してしまった。 思わず木下は 「田中ちゃん、そんなこと」と言ったとき、救急車が到着して、豊田の部屋の中へ大家から鍵を貰い入ってきた。 確認すると、豊田歩美はもう、亡くなっていた。 そのあとに、警察も来て、一旦オンラインは切られた。 豊田歩美は、毒殺されていた。 一体誰がどうやって....殺害かそれとも自殺か? それは、わからない
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