プロローグ

10/16
前へ
/32ページ
次へ
 夜空に輝く星は二人の愛を見つめ、願いを叶えるように流れ星が落ちる。  女神はなんと彼の願いを聞き届け、こうして叶えるべくやって来たのだ。願いを叶えるのも女神の仕事の一つ。  窓枠を消すと改めて彼の顔を見る。 「で、でも、俺だけじゃないですよね!? ほら、子供の憧れは勇者ですし」  学校とかで書かされる『将来の夢』では、多くの子供が『勇者』を希望する。誰もが一度は憧れた勇者。何も彼だけではない。  その質問に答えるように、盛大なわざとらしい悲しげな声で言う。 「ああ……不幸なことに夢を持った子供達は、成長して手に職を持ち、中には死んでしまった者もいる。悲しいことにそなたしか残っていない」 「つまり消去法ですね。世界を救う者をいい加減で決めて良いんですかね?」
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加