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当然第二の人生を歩み始めた彼は断るつもりである。
「どんなに悲願でも勇者にはなりませんよ。そういう押し売りは断っているので」
「……」
当然口のない女神が答えることはない。しかし未だ目の前いると言うことは、何が何でも彼を勇者にしたいのだ。
転生し、名前も変えた。それにも関わらず付き纏う記者のように彼を見つけた。
彼も彼でどんなに誘われても断る気である。
「あの、聞いています? 俺は勇者じゃないので」
吐き捨てるように言う彼は早足で、女神の横を通り過ぎて行く。だが、背後でパキリ、と音がすると阻むように再び目の前に現れる。
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