プロローグ

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「えっと………ほら、俺ばかり喋っているのも可笑しいですし」 「………せぇ」 「はい?」 「いちいち御託ばかり並べやがって、うるせんだよ。チキンか! いいから勇者になれ」  突然の威勢の良い命令口調。口が無いため女神が喋ったのか定かでは無いが、この場には二人しかいない。女神の可能性は十分にある。  流石に彼もドン引きする。  仮にこれが女神の言葉だったとして、大勢の信者が女神の印象を変えただろう。慈悲深い女神かと思いきや、口の悪い女神。 「いいか? 私だって魔王は倒せるんだよ。だが女神が魔王を倒しましたぁ? そんな面白みもない話で金稼げるか!? エンターテイメントってのは盛り上がらなければ意味ねぇの」  彼は首を傾げた。女神の言う言葉が理解できないわけでが無く、女神が何故を求めるのか疑問であった。  
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