クリスマスは今日が本番

1/1
202人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ

クリスマスは今日が本番

 目が覚めたら背中がぽかぽかあたたかくて、ああ、敦史さんがくっついているんだなぁと昨夜のことを思い出す。寝た時は向かい合っていたんだけど。僕が寝返りを打ってしまったのか。  お互い裸だから熱がリアルに伝わる。シャワーを浴びるのも下着を身に着けるのも、何もかもが億劫になるくらい、昨夜はめちゃくちゃ愛し合った。 「……空、起きたか?」 「あ、おはようございます」 「ふふ。おはよう」  ちょっと掠れた声で敦史さんが言う。同時に、ぐっと身体を引き寄せられた。あの、敦史さん、あんまりくっついたら……恥ずかしいです。そろそろシャワー行きませんか? 「ひっ!」 「まだ敏感だな」  布団の中で、敦史さんの手が動く。もそもそと僕の弱いところを撫で回す。 「昨日、いっぱいしましたよね!?」 「した。けど、クリスマスは今日が本番だからな」  もっと、しよう。  言いながら、敦史さんは僕の身体をうつ伏せにさせた。左手で上半身、右手で下半身を器用に愛撫される。僕はだんだん息が上がって、傍らの枕に顔を埋めた。 「こら、それじゃ声が聞こえない」 「だ、だって……」 「可愛い声、聞きたい」 「……あっ!」  指が入ってくる感覚に、思わず声が出た。二本入ってる。昨日の名残で柔らかいんだ……。 「あ……ふ、っ……」  ローション使ってないのに、指はスムーズに動いている。駄目、気持ち良い、いっちゃう。頭がふわふわしてきたところで、敦史さんは指を抜いて自身にゴムを付けた。 「バックで良い?」 「……良い、です……ああっ!」  僕は枕を握りしめる。はぁはぁと息を吐きながら、後ろから広がる快感に身を委ねた。 「あ、ん……! はっ……ん、ん……」 「空、可愛い」 「んっ、あ、あ、いっちゃいそう……」 「ふふ。俺も」 「ふ、あっ! あ、もう、出ちゃう……っ!」 「……っ」  めちゃくちゃに敦史さんを締め付けて、僕は達した。それに敦史さんも続く。  息を整える間も無く、身体をひっくり返されてキスを交わした。 「……メリークリスマス、空」 「メリークリスマス、敦史さん」  もう今日は一日中、愛し合おうよ。  僕は敦史さんの首に腕を回して身体を寄せた。 「サンタさん、もっとプレゼントが欲しいです」 「……身体は平気か?」 「平気です」  微笑みながら敦史さんの頬にくちづけると、敦史さんは「そうか」と言って笑った。それから、深いキスをして僕たちはベッドに沈む。  明日は筋肉痛かも、なんて頭の片隅で思いながら、僕は与えられる甘い刺激に身体を震わせた。  愛に満ちたクリスマス。  僕たちは時間を忘れたまま、いつまでもベッドの上で指を絡め続けていた。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!