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「で、話ってなんですか?」
私は椅子に座って先生に言うと、先生は無言で夏休みの課題を丸付けしている。何について話されるかは分かっているが、取り合えず呼んだならさっさと話してほしい。
私は先生の手元をまじまじと見る。左手でスラスラと丸付けをしているごつごつした手に、私は男の人の手だなと思った。
「左利きの人って、天才であることが多いそうですよ」
「え、まじ? 俺、天才なの?」
左手で赤ペンを握る先生を、私はいぶかしげな目で見ると、溜息を吐く。それを見て、先生が「え、ちょっとその溜息何?」と言った。
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