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「先生、何でそんなに気にするんですか?」
「だから前にも言っただろ? 教頭に言われるんだよ」
「はぁ、また教頭ですか……」
私は溜息を吐くと、先生が「お前は優秀だから、教頭も心配してるんだよ」と左手でシ赤ペンをくるくると回しながら言った。
「私は———」
「好きで一人でいるんです、だろ?」
先生が得意気に笑うと、私はムッとして「それの何が悪いんですか?」と言った。
「安心しろ。お前の顔を見てりゃ、何考えてるのかぐらい分かる」
そう言って、先生がまた得意気に笑って、私の頭を優しく撫でる。私はその手を振り払うこともなく、心地よさを感じながらじっとしていた。
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