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「先生、前に教師になった理由は、自分が担任になった生徒が成長していく姿を見れるからって言いましたよね?」
「おー、よく覚えてるじゃん。さすが、優等生」
「からかわないでください」
私は思いっきり先生の足を踏むと、先生が「いてっ! おい、何するんだ、バカ野郎!」と大声で言う。少し涙目になっているのを見て、そんなに痛かったのかとちょっと反省の気持ちにもなった。
「あれ、先生の先生が言った言葉なんですよね?」
「あれ、謝罪は……? まぁ、そうだけど」
「先生の先生って、どんな人だったんですか?」
先生はあまり納得していない様子で椅子の背もたれに体重を預けると、左手で握った赤ペンを机に当てる。コンコンと、先生がペンを机に当てるのは何か悩んでいる時の癖だ。
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