今日もまた、生きた人間はいない。

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 ロボットは運搬用のエレベーターを使い、どんどんと地下へ降りる。地下二十一階に着く。  地下二十一階には、いくつもの白いタンクのようなものが並んでいる。タンクには中身についてが刻印されていた。  中身はコールドスリープをした人間。ロボットの役目はこのタンクの点検、維持、時に修理である。  施設には生きて動く人間はいない。長きにわたった汚染と、人間の生存に適さなかった気温が緩やかに戻っても、いなくなった人間は戻っていない。  装置の中の人間の解凍方法は、生きている人間のいる間に確立されなかった。その研究を演算し続けたコンピューターは、最後の人間が死亡してから328年59日08時間14分56秒のち、限りなく実現可能なシミュレーション結果を弾き出している。  また、彼らの細胞からクローンを作ることも可能。  しかし管理AIをはじめ、ロボットたちは人間の命令なしで実行しない。  12081.08.11 09:05:31  12081.08.12 09:05:31  12081.08.13 09:05:31  12082.08.10 09:05:31
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