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仲間は仲間を連れてきて、ますます僕の世界は広がっていった。
そして、僕のアドレスは100人を超えそうになっていた。
僕は、昔の友達のアドレスを消した。
もう、いい子の友達はいらない。
もう学校の友達はいらない。
僕には、僕の世界があるんだ。
こんなにたくさん友達いるんだから。
昔の友達のアドレスをひとつ消すごとに、
僕の心の小さな何かがひとつ、またひとつと消えていった。
そして何か得たいのしれない黒い不安が胸の中で疼いた。
でも、それは一瞬のことで、僕は、その黒い不安のことをすぐに忘れた。
夜の街に行けば、誰かしら友達がいた。
みんなが、僕を探し出して声をかけてくれた。
僕は、いつのまにか、その仲間の中心にいた。
僕は、新しい仲間たちと街中を得意になって歩いた。
誰もが、僕たちの歩く先を開けた。
ありの行列に石を置くと、蟻んこはさーっとその石を避ける。
まさに僕の歩く先はそんな感じだった。
僕は、肩で風切って眉間に皺をよせて回りを威嚇しながら歩いていた。
気持ちがいい。
こんなにスカッとすることはない。
ついでに、僕らは、コンビニに入った。
コンビニの客たちがこそこそと僕たちを避ける。
僕たちは、買い物籠を取り、欲しいものを手当たり次第に籠に入れ、そのまま外に出る。
店員も客も何も言わない。
痛快だった。
そして、次の日も・・・・。
また 次の日も。
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