僕はどうしてあんなに怒っていたのだろう

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ある日のこと、 初めて入ったコンビニで、小さな体の男に胸ぐらを捕まえられた。 僕はあらん限りの力で抵抗した。 籠の中の品物は飛び散り、僕の上着ははだけた。 しかし、その小さな男は、びくともしない。 万力のような強さで、僕の胸を締め付ける。 小さな男の目は、僕の目を見据えている。 背筋が凍った。 「何が、そんなに楽しいんだ! え?」 小さな男は、低い声で言った。 僕は、回りを見回した。 「あいつらは逃げたよ。おまえ新顔だろ?」 「・・・」 「いいように利用されやがって、バカめ」 僕の頭は、真っ白になった。 「さあ、行くぞ」 「・・・あの、どこへ」 小さな男は、呆れたように僕を見た。 「決まってんだろ、警察だよ」 僕は、観念した。 不思議と奇妙に僕は落ち着いていた。 「名前は?」 「カズ」 「年は?」 「16」 「親は?」 「います」 それっきり、小さな男は黙り込んだ。
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