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音楽室に、あの音色が響く。ほんの数日ぶり聴く“Part of Your World”は懐かしかった。
先生の長い睫毛も、細い指も。
これが最後になる。
そう思ったら、ヒカリは鼻の奥がツンとした。
ちゃんと聴かなくちゃ。最後だから。
でも、もう一人の自分が胸の隅で叫んでいる。先生のピアノが掻き消えてしまうくらい。
(明日なんか来ないで)
違う。
明日もその先も、ずっとこうしていてほしい。
本当に、これで終わりなの──?
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