体を重ねて愛を知る

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体を重ねて愛を知る

「・・・。どうしたの?急にそんなこと聞くなんてらしくないよ」  らしくないのは彼の方だ。私は彼がそんなに動揺しているのは初めて見た。 「話したくないことだってことは分かってる。けど、そんなことだから話して欲しい」  彼の口の動きが止まっている。それは私への言い訳を考えているのだろうか。それとも私と向き合おうとしてくれるのか。ほんの少しの間が、残暑を忘れさせる程の時間のように感じていると、彼の冷たさが顔を覗かせる。 「全部は話さないけど」  いつもより少し低い声は、私への警戒なのか。どうも私には自分の防衛のために脅している様に見える。ほんの少し幼い心情の意味を一緒に考えたい。 ※  小学校に上がり、集団の中での自分の立ち位置を無意識のうちに探っていく年頃。俺は同級生との決定的な意識の違いに気がついた。その原因は母親からの育児放棄だったと気づいたのは小学校の高学年。授業参観に両親が来ないことについて同級生に詰問された時だ。  俺が保育園に入る前に両親は離婚して、母に引き取られたものの離婚の傷は癒えることなく、その傷を隠す手段として母親が出した答えが結婚生活を忘れる事。 それは俺への無関心として浮き彫りに出た。 しかし母も人殺しは気が引けたのだろう、最低限ではあったがきちんと食料や、教養を与えてくれた。  そんな時、家に母の妹が訪ねて来た。母と叔母はあまり仲は良くないらしく、会話という会話を聞いた事がない。 しかし俺は叔母のことは割と好きだった。 母から貰えない愛情を叔母は惜しみなく注いでくれた。家事の仕方に、ゲーム、オシャレさえも。俺が生きる為のこと全て叔母に教えてもらった。  その叔母からの愛情表現の一つに性行為があった。初めて体を要求されたのは小学校の卒業式の日。 「今日で小学校を卒業だね。これで玲は一つ大人に近付いたって事だよ。だから私から小学校の卒業祝いとして、私が大人についてもっと教えてあげるね」 と言って叔母は体を密着して来た。  優しく抱きしめたままベットに押し倒された。 近付いて来る彼女の顔に感じたことのない高揚と興奮が自分の心の中に溢れてくる。俺を支配しようとする邪な感情が、果たして受け入れても良いものなのか、そんなことも判断出来ないような年頃だった。 いや、何処かで分かっていたかも知れない、だけど俺も健全な男だった。抵抗もせずに静かに彼女の唇を受け入れた。 初めてのキスは明確な「愛」と言うものを感じられた瞬間だった。 気づけば俺は彼女を自分の腕の中に縛って、いつまでも「愛」に浸ろうとしていた。 何度も唇を離し、また近づける。 彼女が離れる度に枯渇というに相応しい飢えを感じる。生まれて初めての愛情というキスはそれ程までに劇薬だった。 少し脳が溶けはじめた頃、口内に侵入してくる異物の存在が俺の心をさらに支配した。 彼女の舌から伝ってくる唾液が擦れて、聞き馴染みの無いクチュクチュと言う卑猥な音が隣の部屋に居る母にまで聴こえてしまいそうで、一瞬だけ現実に引き戻されたが、すでに依存してしまった劇薬の刺激に俺の頭は支配されていた。  それから数時間、体感にしてそれ程の時間彼女の口を求めていた。 互いの顔はどちらとも分からない唾液でコーティングされているようだ。唾の臭いが鼻腔をくすぐる。 顔面に集中していた神経が、俺の服の中に入ってきた彼女の指に錯乱した.。 彼女の指の先端は冷たく、手のひらは温かく、俺の乳首を温度差でも刺激してくる。冬の風呂上がりのような体は火照っているのに、鳥肌が出ているような、乳首の勃起の仕方と、それとは正反対に今まで見た事無いような存在感を放つ自分のイチモツを初めて見た。 俺とキスしながら、手は乳首に、ペニスには彼女のパンストを履いた足が絡んでくる。まだ成長しきっていない幼稚な包茎チンポから溢れ出る我慢汁が亀頭を通って、彼女のパンストに垂れていく。 パンストに染みた我慢汁は網目をすり抜けて彼女の太腿にまとわりつく。 夕陽が差し込む部屋にテカる太腿、彼女の少しイった悪顔。 なんて幸せな時間だろうと、心底想う。 「ハァ、ハァ、可愛いよ玲くん。すごく可愛い。ほらもっと舌出して、私のことペロペロして。アンッ、気持ちいい。何してるの?もっと頑張って。自分だけ気持ち良くなろうなんて欲深すぎるよ。分かるよね?ンッ、でもそんな玲くんも大好き」 体に染み込む「愛」が溢れ出したモノを彼女は喉を鳴らして受け止めた。 「美味しっ」 ※ 「簡単に言うと、愛情の示し方がsexしか知らない。それだけだよ」  叔母さんとの思い出を語っているときはあんなにも満足げな顔をしていたのに、私を見る顔は仕事中のただのクールな人の顔に戻っていたのは何故だろう。 「話してくれてありがとう。ちゃんと伝わったよ」 「そっか、よかった」 ‼︎まただ、また私を見ない。 突然のイスの音にこちらを見ようとした彼の唇を奪う。 「ベットに行こう」
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