2498人が本棚に入れています
本棚に追加
/216ページ
彼は何も言わず、背中と膝の裏に腕を回し、私を抱き上げると、寝室へ向かう。
ベッドに優しく下ろし、キスをして、目を見つめてこう言った。
「つらかったらすぐに言えよ。じゃないと、俺は止まれない……いいな」
「うん……」
「蘭っ!」
唇を重ね舌を絡ませたまま、ブラのホックを外され、彼の手が乳房を包む。
心なしか以前より手が大きい……?
私が痩せたのか……確かに、ブラをつける時ちょっと違和感あったけど……
「ふっ、ほんとに痩せたな……蘭……」
「もうっ! 言わないでよ……今、賢斗の手が大きいなと思って、自分のが小さくなった事を自覚してたんだから……」
「ふっ、俺は……どんなに痩せてても、太ってても、それが蘭ならそれでいい」
「もうっ……すぐ、戻ってやる!」
「ふっ、そうだな。出ないと、ほらっ、リングも抜けちゃうもんな」
私の手を掴んで言った。
「うん。落としそうで…怖い……」
「なら、外しててもいいよ。また、きちんとしたヤツ買うから」
「きちんとしたヤツって何?」
「ん? それは婚約のエンゲージリング、今度は俺のと一緒に結婚のマリッジリングを買う」
「あっ、そっか……結婚指輪……えぇ勿体ない…」
「それは大丈夫。奥さんのはエンゲージリングとマリッジリングを重ねてはめられるようになってる」
「そんな事出来るの?」
「うん。元々そのつもりでそれを買った。それと、対になってるマリッジリングがある。予約済みだ」
「賢斗……もし、私が目覚めなかったらどうしてたの?」
「ん? 今と同じように、この部屋に帰って来てた。予約済みのマリッジリングをはめて、ここでずっと一緒に。同じだよ……」
「賢斗……」
「じゃ、もう抱いていい?」
「うん、いいよ」
最初のコメントを投稿しよう!