真相と真意

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彼は何も言わず、背中と膝の裏に腕を回し、私を抱き上げると、寝室へ向かう。 ベッドに優しく下ろし、キスをして、目を見つめてこう言った。 「つらかったらすぐに言えよ。じゃないと、俺は止まれない……いいな」 「うん……」 「蘭っ!」 唇を重ね舌を絡ませたまま、ブラのホックを外され、彼の手が乳房を包む。 心なしか以前より手が大きい……? 私が痩せたのか……確かに、ブラをつける時ちょっと違和感あったけど…… 「ふっ、ほんとに痩せたな……蘭……」 「もうっ! 言わないでよ……今、賢斗の手が大きいなと思って、自分のが小さくなった事を自覚してたんだから……」 「ふっ、俺は……どんなに痩せてても、太ってても、それが蘭ならそれでいい」 「もうっ……すぐ、戻ってやる!」 「ふっ、そうだな。出ないと、ほらっ、リングも抜けちゃうもんな」 私の手を掴んで言った。 「うん。落としそうで…怖い……」 「なら、外しててもいいよ。また、きちんとしたヤツ買うから」 「きちんとしたヤツって何?」 「ん? それは婚約のエンゲージリング、今度は俺のと一緒に結婚のマリッジリングを買う」 「あっ、そっか……結婚指輪……えぇ勿体ない…」 「それは大丈夫。奥さんのはエンゲージリングとマリッジリングを重ねてはめられるようになってる」 「そんな事出来るの?」 「うん。元々そのつもりでそれを買った。それと、対になってるマリッジリングがある。予約済みだ」 「賢斗……もし、私が目覚めなかったらどうしてたの?」 「ん? 今と同じように、この部屋に帰って来てた。予約済みのマリッジリングをはめて、ここでずっと一緒に。同じだよ……」 「賢斗……」 「じゃ、もう抱いていい?」 「うん、いいよ」
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