夜行性高校生

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夜行性高校生

「あなたはパニック障害ですね」 そう言って主治医がおもむろにパンフレットを取り出し渡してきた。 ずっと聞けなかったこと この手の震えはなんだろう? この胸の鼓動はなんだろう? そんなことを心療内科の先生に言ったまでだ。 最初は心臓の検査をしても異常はないと言われた、ネットで調べると心療内科の文字が書かれていた。 心療内科? 行ったことなんてなかった。 早速、近くの心療内科を調べることになったのだ。 そのパンフレットを手に 待合室で頭の中は真っ白になっていた。 その後、処方箋を持って薬局に行った。 そこも市販薬が売ってるところではなくて、病院から処方された薬を扱うところだった。 飲んでみるとあら不思議、世界はまるで見違えて曇った空は晴れて見えていた。 恐ろしいほどスピーチも怖くない。 そんな自分が怖くなって情けなくて 勝手に薬を手放してしまった。 今日は高校生活がいよいよ終わりを迎える日だ。私の中ではそこそこいい朝だった。 目覚まし時計は鳴ったところで起きないため、置物みたいになっていた。 「遅刻するわよ」 「うーん、パンちょうだい、食べたい」 お母さんの声で目覚める日々だった。 それでも布団から出たくないからパンを焼いてもらってバターも塗ってもらって、布団の上で寝っ転がりながら焼きたてのパンを食べる生活。 「寝ながら食べないの」 自分が持ってきたくせにお母さんは私に怒る。 「行ってきます」 お母さんから行ってらっしゃいの声が聞こえないまま外を飛び出す。 私の名前は、白井 舞(しろい まい) あだ名はシロちゃんや白米などと言われた事もある。 実は私パニック障害。 主な症状は、みんなに見られているのではないかと思うがあまり、緊張は高まりプルプル手が震える事。 その震えすら、バレているのでは? そう思うたびさらに手は震え出す。 大丈夫、今日は卒業証書をもらってハイおしまい。
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