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寮の裏手、つまりは部屋で窓のあった方へ歩きながら僕は自白した。
「実はね、さっきの朝食で兄さんのだけ3日期限過ぎた卵使ったんだよね。冷蔵だから大丈夫だろって思って使ったんだ…」
「えっ?」と当惑し立ち止まった。言葉がすぐ出てくることはなくただ絶句しただけ、
「もう!ひなお兄ちゃんっ!!何してるの!?そんなに恨みあったの!?」
僕は脊髄反射に似た速度で反論する。
「うんあるけど?正直数え切れないほど」
椛、二度目の絶句。
「あえっ…そうなの…うん。なんか…ごめんなさい。でもでも、流石にひど過ぎっ!もう、そう言うのやめてあげて、私が不安になるから」
申し訳ない。ただ「あぁ…ごめん、今後はやらない」と謝罪。そして歩き出す。
自転車の鍵を開け、妹に言う、
「荷物入らないのと、スカートは気をつけてね、どんな輩が狙ってるかわからないんだから」
僕自身も過保護過ぎると思っているが、学生のうちは何が何でも妹にちょっかい出す連中はしばき上げる。
二度とそんなことを考えないように徹底的に。
椛は少しだけ笑って、
「大丈夫、豊…コホン!秋城の妹は伊達じゃないから!」と握りこぶしを出し親指を上に立てる。
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