「遺書」谷崎トルク

17/20

331人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
 ×××  文章はそこで終わっていた。佑都はしばらくパソコンの前から動けなかった。  何度も読み直して、このフォルダの行く末をどうするべきか考えた。  思い悩んだ挙句、佑都は相手の男を突き止めようと決意した。このメッセージを渡すかどうかはその後、考えよう。そう思い、パソコンの電源を落とした。東の空はとうに白み始めていた。  佑都はZが言った「過去に起こした、たった一つの選択ミス」が気になっていた。それがなんなのかは分からなかったが、男の方も心に遺恨を抱えているような気がした。父親のメッセージを渡す事で解決する何かがあるのかもしれない。佑都はこの文章をそれからも幾度も読み直した。  ×××
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

331人が本棚に入れています
本棚に追加