「遺書」谷崎トルク

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 ×××  ――佑都はそこまで読んで深い溜息をついた。コーヒーはすでに冷たくなっていた。この文章の「僕」は多分、父の事だろう。友子は母親の名前だ。「君」が誰なのかは分からなかったが、Zである事は理解できた。Zに思い当たる誰かを佑都は知らなかった。パソコンの中にある知り合いの名前を探ってみたが、Zに重なる人物はいなかった。母親に尋ねるのが一番早い。ただ、佑都は本能的にこれを母親には見せてはいけないような気がしていた。父もそれを望んでいるように思えた。とりあえずもう少し読み進めてみよう。そう思って画面に視線を戻した。  ×××
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