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side K
その日は朝から不穏な空気が流れていた。
朝、中間試験の結果が廊下に貼りだされていて、一番上には、いつもアキの名前だったのに、今回はそうではなくて、アキの代わりに朔弥の名前が載っていた。
アキはその下。
苦手科目の化学が全体の足を引っ張ったみたいで。
とっさにアキの顔をのぞき込むと、酷く悔しそうなつらそうな、そんな困惑した表情をしていて。
俺はどう慰めていいのか、わからなくなってしまった。
放課後、その問題の朔弥と部活に出るつもりで部室に向かう途中、顧問の先生が急きょ出かけないといけなくなったということで、部活が中止になって。
「土方は部活休みなら出かけるんだってさ」
「どこへ?」
俺の言葉に朔弥がニヤリと笑って答える。
「デートだってよ」
その言葉に俺は目を細める。そうか、彼女と色々あったみたいだけど、まあ上手くやっているようならよかった。
結局、新ちゃんもサノっちもどこかに遊びに行くと帰ってしまい、俺と朔弥もさっさと寮に帰るのはつまらないとそんな話になった。
「ほら、なんて言ったっけ。あの、土方の兄貴の店」
「ああ、あの店がどうしたの?」
俺が尋ねると、朔弥は頷いた。
「そうそう、あそこの店、もう一度ゆっくり行ってみてぇって思ってたんだよな」
そう言いだすから、じゃあとりあえずあの店で、お茶でも飲んでから帰るか、という話になった。
その朔弥の思い付きで、俺は思いがけない出来事に出くわしてしまったわけなんだけれど……。
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