始まりの季節

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先程から僕を引っ張って歩いているのは、この学校の副会長、吉野 怜(よしの れい)。 「大体生徒会長らしくってどういうことなの?僕ってそんなに生徒会長っぽくない?」 「そうですね。少なくとも私にとってはあなたは生徒会長とは程遠い気が・・・って、こんなこと話してる場合じゃないです。急ぎますよ。」 そう言ってまた怜は僕を引っ張って行った。 ✿︎❀✿ 「「あ、やっと2人きた!遅いよー!」」 「遅刻だよ〜」 「お、そい」 体育館に着くともう既に他の役員が集まっていた。 ちなみに上から順に 庶務の立花 海(たちばな うみ)(そら) 2人は一卵性の双子で、そっくりというより、もはや同一人物レベル(?)。 会計の澄野 太陽(すみの たいよう) 太陽くんは、耳にピアスをたくさんつけてて、制服もかっこよく着崩してる。 学園ではチャラ男会計とかって呼ばれてた気がする。 でも実はとっても優しいいい子なのである。 書記の川上 桜輝(かわかみ おうき) 僕のワンコ天使。 「私のせいじゃないです。」 「じゃあ何、それ僕のせいって言いたいの?」 「・・・では、入学式のリハーサルを始めましょうか。」 そうかいそうかい。もう僕には構わないってことかい。 「ーーそれでは皆さん、良い高校生活を。」 「はぁ。悔しいですが、完璧です。」 生徒会長の言葉を言い終え、怜の方を見てドヤると、少し眉間に皺を寄せながらそう言ってきた。 「ふふん。まあ僕は、この学校の生徒会長ですからね。」 ここぞとばかりに言うと、さすがにイラッときたのかデコピンをくらった。 う、結構痛かった。 「ではこれでリハーサルは終わりです。入学式まではあとちょっとですが、少し休憩しましょうか。」 「やった〜!俺、お菓子持ってきてるんだけど、みんなで食べない?」 そう言って太陽くんは紙袋を取りだした。 ちなみに、うちの生徒会の中で1番お菓子が好きなのは間違いなく怜だ。 今も口の端がピクピクしてるのが見える。 ふふっ可愛いなあ。
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