嵐到来

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驚いた。 親衛隊の子達が僕たちのことを守ってくれていることは知っていた。でも、ここまで見守っていてくれていたなんて。 そして、親衛対象のことを盲目的に崇拝しているのではなく、しっかり周りが見えていたことにも。 でも、ここは食堂だ。 いくら夜だとはいえ、それなりに利用者は居るし、騒ぎを聞き付けたのか普段より人が多い気もする。 そんな中で、本当のことを言ったら── きっと学園内は混乱してしまう。 だけど、彼らが仕事をやっていないことは紛れもない事実だ。 「会長様?」 「っあ、ごめん。みんなが仕事をやっているのか。だったよね。」 「はい」 「学園は問題なく回っている。それが事実だよ。」 真実がどうであれ、僕はこの学園の生徒会会長だ。 みんなを混乱させてはいけない。
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