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昼休み終わりのチャイムを聞き、森くんとはお別れをした。
久しぶりにゆったりとした時間が過ごせたかもしれない。
「そうやってまたコイツらを孤立させるのかよ!!」
生徒会室へ帰ろうと廊下を歩いていると、なにやら聞き覚えのある声が聞こえた。
う、嫌な予感、、、
「そうではありません。ただ、私たちは皆様が生徒会役員としての自覚を持って欲しいと言っているだけです」
「そうやってお前らが堅いことばっかり言うから怜達は今まで窮屈な思いしてきたんじゃねえのかよ!」
廊下の曲がり角の先では僕の予想通り、朝倉と生徒会役員、そして親衛隊隊長が言い争いをしていた。
「愁、こんな人たち相手にしなくていいですよ」
「「そーだそーだー!!」」
「きい、ちゃ、メ!!」
んー、別に親衛隊の子たちは間違ったこと言ってないんだけどなあ
僕たちもこの学園の生徒だから楽しみたいという気持ちは分かる。
でも、生徒会は一般生徒と同じ生活を送ることは出来ない。
てっきり僕は皆もそれを理解してるんだと思ってた。
・・・いや、きっと理解していたんだよね。
でも、朝倉と出会ったことでこの生活が窮屈に感じてしまったんだよね。
もちろん僕だってもっとこの学園の人と仲良くなりたいと思ったことはあるけど、みんなが居たから窮屈には感じなかった。
恋は人を変える
いい方向にも、悪い方向にも。
生徒会としての過ごし方に、理解はあったけど納得はしていなかった彼らを朝倉は変えてしまった。
でも、学園の秩序を乱す行為は少しいただけないな。
仕方ない。行くしかないか…
そのとき、一瞬太陽くんがこっちを見た気がした
「ねえみんな」
「あ、しゅーくんそろそろ授業始まっちゃうよー?」
「ほんとだ!今日のところはこれで勘弁してやる!でもお前達のことは許さないからな!!」
睨むようにして朝倉と生徒会は去っていった。
親衛隊はしばらく黙って彼らの後ろ姿を見ていたけど、その後は自分たちの教室に戻っていった。
気のせい、かな?
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