684人が本棚に入れています
本棚に追加
✿
「それで遥輝はなんて言ったの?」
「それ、は、秘密」
ここに至るまでの経緯を端的に話していたおーくんは、何故か遥輝から言われた言葉だけは教えてくれなかった。
「でもおーくん、朝倉と一緒に居るのが楽しかったんでしょ?なんで帰ってきてくれたの?」
「それ、もひみ、つ」
肝心なところが聞けなくて少しムズムズする。
それにしても、いつもあんなに穏やかなおーくんがムカつくなんて言ったことには驚いた。
おーくんの反応的に、遥輝だいぶ嫌われてるなぁ。
まあ遥輝はそれを聞いても「ふーん」で済ませちゃいそうだけど。
「それで、俺、何す、?」
「あ、じゃあとりあえず通常業務の方をやって欲しいかも。僕は新歓の方やらなきゃいけなくて」
帰ってきて早々働かせるのは少し気が引けるけど、おーくんはむしろ嬉しそうにコクコク頷いて仕事に取り掛かってくれた。
ひとりじゃない生徒会室は、ずっと居心地がいい。
この調子でみんなも帰ってきてくれたら…
なんて、欲張りすぎかな
最初のコメントを投稿しよう!