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「それじゃ、おーくんまた明日!」
「う、ん。ばいばい」
生徒会の寮は、一般生徒と職員の階の上、つまり寮棟の最上階に位置している。
部屋は一人一部屋あり、奥から順に僕、怜、おーくん、太陽くん、海、空の部屋がある。
ちなみにここは最上階の7階だけど、エレベーターがあるから疲れることなく上まで来れる。
お金持ち万歳!!
ところで、おーくん、何やってるんだろ。
バイバイした後もおーくんは部屋の中に入らずに、鞄の中をずっとゴソゴソしてる。
「おーくんどうしたの?」
「か、ぎ、見つからな、」
「ええ!それは大変だ!僕も探すよ」
その時だった。
「桜輝?」
隣の部屋のドアがガチャリと開き、中から怜が出てきた。
「あ、れい」
「さっきから何を騒いでいるのですか?」
怜…
最近、全く会話らしい会話をしてないし、いつも無視されてたから少し気まずい…
でも、てっきり夜も朝倉の部屋にみんなで居るのかと思ってたからすこし驚いた。
生徒会のフロアは原則一般生徒は泊まることは出来ないことになっているので、いくら朝倉でも夜にここまで入ってくることは出来ない。
だから怜が夜、部屋に居るとは思わなかった。
「鍵、鞄のな、かに無い」
「はあ…いつも言ってるでしょう?大事なものは肌身離さず持っておきなさいと。」
「持ってた、はずだもん」
怜はおーくんの親ですか?
まるで親子のような会話をする二人を見て、思わず笑ってしまった。
「あや、なに笑、てる、?」
「そうですよ彩翔。笑い事じゃありません。」
あれ、怜僕と喋ってくれてる、、?
「ちょっと、なんでもっと笑ってるんですか?」
「いや、何でもないよ」
何故か喋ってくれるようになった怜。
それが嬉しくて仕方がない。
「はあ、まあいいです。それより桜輝。あなた今晩どうするつもりですか?」
「どうし、よ」
「あ、じゃあ僕の部屋に泊まる?」
「「え?」」
生徒会役員の部屋に一般生徒が泊まることは禁止だけど、生徒会役員なら問題ないはず。
「そ、れはダメです。」
「えーなんで?」
「なんでもです。」
なんで怜ちょっと不機嫌なの?
一方おーくんはどこか嬉しそう。
「お、れあやの部屋、とま、る」
「だ、だからダメです」
「な、んで?」
「・・・桜輝は今日は私の部屋に泊まってください。」
「・・・。なら、あやも」
そう言っておーくんは僕の腕を引っ張った。
おーくんの力は強く、僕はそのままおーくんに倒れ込み、なんだか抱き締められてるみたいな体勢になってしまった。
「ぼ、僕はいい「いっしょ」」
「は、はい…」
一応怜の反応も見てみたけどまあ嫌そうにしてないしいっか
そうして今日は僕とおーくんは怜の部屋に泊まることになった。
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