684人が本棚に入れています
本棚に追加
✿
「彩翔。もう少しズレてください」
「無理だって」
「あや、こっち」
「うわわ」
僕たちは今、3人で1つのベットに寝ている。
なんでこんな事になったのかは遡ること数十分前
「あや、明日は大変、早くね、よ」
「え」
「仕事、しようと、してたでしょ」
ば、バレてる…
思わずおーくんから目を逸らしてしまった。
「ー〜〜っ分かったよ、もう寝よう」
おーくんの視線に負けてしまった…
まあでも確かに明日は忙しいし、それに最近はおーくんのおかげで仕事に余裕ができたから、今日ぐらいは早く寝てもいいかも。
おーくんは僕の返事に満足したようで、笑顔で頷くと、もう寝ることを怜に伝えに行った。
キッチンに居た怜は、おーくんと話しながらリビングに戻ってきたけど、その顔はどこか困ってる。
「どうしたの?」
「いや、それが、、」
「あや、一緒に、ねよ、!」
おーくんはここ数日で1番の笑顔だった。
どうやら、ベットが1つしかないと言った怜におーくんは、じゃあ3人で寝ようと言って聞かなかったらしい。
怜はソファで寝ると言い出し、何とか回避しようとしていたけど、結果はこの状況から察して欲しい。
うちの学園は基本なんでもお金をかけるのでベットもそれなりに大きいんだけど、やっぱり男3人が一緒に寝るには少し辛い。
「おーくん、やっぱ無理だって。僕がソファに行くから2人で寝なよ」
「や、!」
ヴッ
僕の体に回されていたおーくんの腕の締め付けがさっきよりも増した。
「わ、分かったから!腕緩めて!臓器出る…」
「みんな、で、ここ、寝る」
「彩翔。もう諦めましょう。それにほら、貴方がそうして桜輝に抱き締められているとスペースが少し空いて寝やすくなります。」
「はあ…」
夜はまだまだ長いようです。
✿
「あや、寝たね」
「ええ。私たちの前では元気そうでしたが、相当疲れが溜まっているようでしたから…」
「それにしても。桜輝、あなたわざとですよね」
「なんの、こと?」
「鍵。持ってますよね?」
「・・・。だって、一人にし、たら、あや、休まな、」
「それはそうですが…。貴方もなかなかですよね」
「俺は、怜とちが、て、大事なものは、肌身離さず、持って、るから」
「・・・」
最初のコメントを投稿しよう!