新入生歓迎会 当日

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「お前ら早いな」 風紀室に着くと、少し驚いたように委員長が出迎えてくれた。 「そりゃあ今日はいよいよ本番だからね」 「委員長さんだって早いじゃん」 「まあな。」 と、ここで凛くんが全員分のコーヒーを淹れてくれたみたいで、ソファに座ることにした。 「それで今日の新歓なんだが、昨日話してたように・・・」 今日の動きを一つ一つ確認していく。 うん、問題なし。 みんなの様子を見てみてもうんうんと頷いているので大丈夫そう。 「最上、この前の件どうなった?」 「うん、俺の方は全く問題ないよ!それでなんだけど、どうせならこんな感じで発表したいんだけど…」 この演出は確かに盛り上がるだろうなぁ 最上くんすごい。 「おお、なかなかいい案だな。」 「うん、楽しそう!」 「え、委員長さんも会長さんもいいの?」 「え、何か問題あったかな?」 心配になって委員長の方を見たけど、特に問題なさそう。 ただおーくんは何故か少し不満げだった。 「いや、本人たちがいいならいいんだ。俺は提案した側だしね」 よく分からないけど、とりあえず話はそこで終わった。 次に僕たちは、確認作業は済んだので会場に向かうことにした。 「おー!お祭りだ!!」 「ほんとだ!凄いですね最上さん!!」 「へへん。会場準備は俺の担当だからね。」 今日の会場となる校庭に行くと、既に屋台やステージの設営は済んでいた。 朝なのにこの状態ということは昨日のうちに全部済ませてたってことかな。 昨日も普通に授業はあったのに、限られた時間でここまでの準備を終えたのはすごい。 しかもその仕上がりも想像以上でまるで本物のお祭りのようだった。 1日2日で作れるクオリティじゃないし、イベント実行委員の子たち相当頑張ってくれたんだろうな。 その後、会場の様子を確認したり一日の流れを風紀委員ともう一度話し合ったりとしているうちに新歓の開始時間が近づいてきた。 「いよいよ、ですね。」 凛くんは運営側で体験する新歓は初めてだからやっぱり緊張気味なようだった。 「なにお前は緊張してるんだ。大丈夫、絶対成功する。」 そう言って委員長は凛くんの肩に手を置き、凛くんも委員長を見て微笑む。 風紀委員会、すごく雰囲気がいいんだろうな、と思う。 ちょっと羨ましいや。 「あや」 「おーくん。今日まで、本当にありがとう」 「あや、すごくがん、ばってた。ぜった、うまくいくよ」 「へへっありがとう」 新入生歓迎会が、いよいよ始まる。
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