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いつも通り遅く出社してきた高良は明らかに顔が歪んでいる。皆、海外出張中に何かあったと思っているようだが逆だ。出張から帰ってから何かがあったのだ。高良はすぐに外出してそれ以降、会社には戻って来なかった。
私は家に帰り、週末できなかった片付けを始めた。高良が出張から帰って来たまま放置されていたスーツケースには多くのお菓子が詰め込まれていた。着替えはワイシャツくらいだった。下着類は全て捨ててきたそうだ。ワイシャツをまとめて洗濯し、お風呂掃除をして、夕食を作り終えた頃に高良は帰って来た。
「ただいま」
「お帰り」
高良は私に近づくとただいまのキスをした。そのまま私は壁に押し当てられ、昨日の続きが始まった。
「仁……ご飯食べよう」
「紬食べてから」
高良は私の首筋を攻めてくる。
「んっ……ダメ……ご飯冷めちゃう」
私は何とか発情する高良をなだめ食卓に彼を座らせた。高良は私を隣に座らせ手を握ったまま食べ始めた。
「ねぇ、これじゃ私が食べられない」
「俺が食べさせてやるから」
高良はスープを飲むとそのまま私にキスをしてきた。ゆっくりと温かいものが私の口の中に入ってくる。スープだ。
「普通に食べたい」
「可愛くない」
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