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次の日の勤務に彼女はいなかった。シフト表を見ると、あと次に被るのは3日後だった。
なんでそんなことが気になるんだろうか。本当はなんとなくわかっている答えを心の奥に飲み込み、俺は仕事に集中することにした。
昼休みが来るのがいつもよりも遅い気がした。俺はいつも一人で食事を摂る。誰かと話して、気を遣いながら休憩するのは好きではなかった。
人気のない会議室に弁当を持ち込み、イヤホンをつけながら食べる。すると、食べはじめてすぐにLINEの通知が鳴った。
画面を覗くと「あかり さんから友達申請です」と表示されていた。
俺は慌ててスマホを操作しLINEを開いた。最近ロクな会話しかしていなかった数件の上に「勝手に追加しちゃいました。今日も来ますか? タバコ」と送られていた。
彼女のLINEは持っていなかったが、病棟のグループLINEには登録していたから、そこから友達登録したのだろうか。
俺は「行きます」とだけ送ってスマホを閉じた。
久々に感じる高揚感だった。午後の仕事は午前と比べて嘘のように捗った。
5時半ちょうどに「お疲れ様です」も言わずに俺は職場を出た。
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