2人が本棚に入れています
本棚に追加
「んーよく寝た。ありがとうございますね、電話してくれて」
「いいえ、仕事頑張ってください」
「ありがとうございます。じゃあ、また」
そう言って電話は切られた。俺はその余韻に浸りながら再び布団を被った。
次に目が覚めたのは昼過ぎだった。スマホを開くと一件のLINEがきていて、それは彼女からだった。
開くとパンダの可愛らしいスタンプと共に「ありがとうございます」と打たれていた。
俺は「いいえ、寝落ち電話思ったよりもよかったです」と返した。
その日の夜は冷たい雨が降っていた。流石にあの川辺に彼女はいないだろう。
時刻は20時半。彼女からのLINEはまだ返信がない。
俺はどこか不安な気持ちになっていた。もしかしたらこのあと一緒返信が来ないのではないか、もう話せないのではないかという漠然とした不安。
俺はLINEの通知を切った。いつ来るかわからない通知を待ちながらスマホをいじることがひどくストレスに感じたからだ。
それから一人で過ごす時間は2倍にも3倍にも長く感じた。くだらない動画サイトの大して面白くもないコントを眺めて時間を潰し、日付が変わる頃に意を決してLINEを開いた。
最初のコメントを投稿しよう!