2人が本棚に入れています
本棚に追加
憂鬱な気分で帰路についた。LINEはまだ帰ってきていない。途中のコンビニでカップラーメンとおにぎりを買い、その袋をぶらぶらと揺らしながら自宅に入る。
真っ暗な部屋の中でいつものようにハムスターがカラカラと回っていた。
俺は適当に餌と水をやり、自分のカップラーメンに湯を注いだ。
3分待つ間に風呂を洗い、湯を貯める。今日はタバコを吸いに行く気にもならなかった。
1人だけの部屋に麺を啜る音とおにぎりの咀嚼音が悲しげに響いていた。
風呂から上がると時刻は20時だった。スマホの画面を開くことが怖かった。
数分迷った挙句、俺はスマホをソファに放り投げた。そのままベッドに潜り込み、部屋の電気をつけたまま目を閉じた。
真っ先に脳裏に浮かんだのは彼女の顔だった。笑った顔、悲しげな顔。怒った顔はまだ見たことがなかったし、予想もつかなかった。
そのまま眠りたかったが、アラームをつけなければならず結局スマホを手に取った。
画面を操作するついでにLINEも開いたが、やはり返信はなかった。念のためトーク画面も開いたが、既読すらついていなかった。
深いため息をつき、毛布を顔のあたりまでかけた。電気は消さなかった。
そのまま俺はゆっくりと眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!