2人が本棚に入れています
本棚に追加
目が覚めたのは23時半だった。夢は見なかった。それが覚えていなかった。
枕元にあるスマホとLINEを開く。そしてさっきと同じため息をつき、同じ場所に戻した。
落ち着かなかった。もしかしたら1分後、いや10秒後に返信が来るのでは、という期待もあったし、このまま来ないのではないかという不安もあった。
俺はもう一度スマホを手に取り、アラームを3時にセットした。
もしかしたら今日も電話できるかもしれないと思っていた。彼女がなにをしているかはわからないが、少しでも希望が欲しかった。
今度は部屋を暗くし、目を閉じた。少し暑かったから毛布を一枚減らした。睡魔はすぐにやってきて、俺は2度目の眠りについた。
真夜中のアラームは耳障りだった。一瞬の混乱の後自分がセットしたアラームであることに気がついた。
すでに嫌な予感はしていた。LINEは返ってきていなかった。
気持ちが悪い気がした。吐くわけではないのだが、どこかいつもと違う感覚。
俺はスマホを置き、3度目のため息をついた。その後のことはよく覚えてない。いつのまにか眠っていて、いつのまにか朝になっていた。
最初のコメントを投稿しよう!