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深く煙を吸い込み、肺に行き渡せる。煙を吐くと、白い息と混じって蒸気機関車のようだ。
つい最近までは肺に入れるとムセていたが、いつのまにか慣れてしまった。
ふと空を見上げると星々が煌めいていた。天空に集中すると不思議と語感が研ぎ澄まされる気がした。
川のせせらぎがなんとも心地よい。まるで自然に一体化しているような感覚だった。
気づけば足元には5本の吸殻が転がっていた。立ち上がろうとすると少しふらついた。
しばらく休もうと思い座り直すと、無意識に6本目のタバコを持っていた。
俺は少し悩んだ後でそのタバコに火をつけた。元カノに貰ったブランド物のアナログ時計に目をやると時刻はAM3時を指していた。
明日も仕事だ。早く戻らなければ。そう思ってはいるのだが、なかなか行動に移せない。いっそこのまま時が止まれば、なんて馬鹿げたことを考えてしまう。
結局8本目を吸い終わってから僕は帰った。1kの狭い部屋の中でペットのハムスターがカラカラと回っている。
シングルベッドに潜り込み、電気を消す。真っ暗にするとどこが落ち着かなかったので微灯をつけて寝ることにした。
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